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日常に美を意識する
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枯野に若草

枯野に若草

枯野に若草。2月初旬の枯野。枯れきっているススキ、
落ちずに枝に残っている桜の黄葉、ドライ・フラーワー
と化したユリの花、地面に積み重なる落ち葉、その中に
しっかりと芽を出した雑草たちの青く瑞々しい新芽。
この趣を上手に絵に出来たら、上手く俳句や詩歌で言い
表せたらどんなに良いだろう。

そんなことを思いながら自らの画才、文才の無さを嘆きながら散策し、写真ぐらいなら上手く撮れるかもしれないと、スマホを向けてみるものの、これも思うようにはいかず無才を知るばかり。季節の移り変わり、新旧の入れ替わり、寒風、冷雨に耐えた枯野に心を寄せながらも、新芽の新たな息吹にわくわくする気持ち。短文にしても自然界の趣を上手く表現することは到底できない。
この気持ちをブログに乗せることはやめようと思っていた矢先、ぱらぱらとめくっていた万葉集に、ハタと膝を打つような歌を見つけた;
おもしろき野をばな焼きそ 古草(ふるくさ)に新草(にひくさ)まじり生(お)ひは生(お)ふるがに。(巻第14―3452)  眺めのよい原を野焼きしないで欲しい、古い草の中に新しい草が生え育っているから と言うような意味らしい。

状況は野焼きの中で、私の情景とは少し異なるが、新たな緑の命を見つけて慈しむところは似ている。この頃万葉集をめくっているのは、古の人々がごく身近な草花や自然を心に留め慈しむ姿が、遠くオスマン帝国の人々の自然愛にも通じて面白いと思ったからですが、そのあたりのお話はまた別の時に。