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松飾り

 

 

お正月に伝統的なお飾りである門松、松飾りといわれる縁起物。世の平安や人々の幸せを願う。今年は伝統的な松、福寿を祈り千両、厳冬に梅と共に開花するミモザと少しいい加減な紙垂(しで)のお飾り。庭で調達できた縁起物でコロナの収束を祈る。古来、日本では高い岩山、樹木に神が降りると考えられました。神が降りるための依り代も立てられました。松は神が降りた木として神聖であり、目出度い木として後に門松として正月の門戸を飾ることになったそうです。神が降りるという現象、依り代を設けるは日本だけでなく世界の様々な古代文明圏に見られ、その伝統の片鱗は広い地域に残されています。大谷探検隊が中央アジアから請来した6世紀または7世紀の舎利容器には布を振りかざし踊る人物が、トプカプ宮殿が所有する15世紀頃中央アジアで描かれた絵画には鬼たちが布を振りかざしながら踊る姿が描かれています、いずれも神が降りてくることを意図していると考えられています。現在のトルコの民族舞踊にリーダーの踊り手が布を振りかざす所作が見られます。これもまた古から続く神の依り代の名残かもしれません。